だけど排卵機能が衰えて、妊娠しにくくなってしまうんです」その逆の例として、Iさんは、メキシコに住むインディオをあげる。 十8年間で3千数百例を調べたところ、短命ではあるが、子どものできない夫婦はゼロだったという。
平均6~7人産んで、皆、母乳で育てている。 「彼らの食事はトウモロコシと豆の2品だけ。
それも朝、昼、晩、すべて同じです。 ただし、豆にしるトウモロコシにしろ、すっかり完熟して種になったものしか食べません。
われわれは種なしスイカとか種なしキュウリとか、種のないものばかり食べますけど、インディオは未熟食品は食べないんです」高栄養社会は、男性の生殖機能をも衰えさせる。 精子無力症は、その最たるものだ。
精子の数が減るこの症状もまた、近年増えつつあるという。 「ペット社会にもその傾向があります。
ペットの餌も賛沢になって、高栄養で育てるでしょう。 すると、さかりのつく春になってもメスに関心をもたないんです。
長生きはしますよ。 30年前に比べ、犬や猫の平均寿命は倍になっている。
でも、子種が減っちゃうから、最終的には滅亡の社会ですよね」長生きをするか、子孫を増やすか。 われわれはそのどちらか一つを選択しなくてはならないのだろうか。

「いや、要はバランスの問題です。 日本の伝統的な食べ方を、少し豊かにするっていうのが、いい食べ方なんです。
キュウリにしても、昔はみそをつけたりぬか漬けにして食べましたよね。 キュウリを食べるんじゃなくて、ぬかのビタミンB1とかミネラルとか、栄養を添えて食べるんです。
そして、3食同じものを食べるという、パターン化が大切です。 日本のように朝は洋風、昼は中華、夜は和洋折衷なんていうのは目茶苦茶ですよ」食事のたびに違ったものが供給されると血液のコントロールがたいへんになり、不妊症だけでなく、肝臓にも腎臓にもたいへんな負担がかかるという。
「違うものを欲しがるのは、体ではなく、目と口と頭だけですからね。 もっといえば、中身よりリズム。
リズムを狂わすのがいちばんいけない。 ぼくなんか、毎日の食事をちゃんととるためには、会議だって平気で遅刻しますよ(笑)」


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